サウンド・アフェクツ/ジャムCDレビュー

前作「セッティング・サンズ」は、当時ギリギリ後追いで聴きました。そしてこれは、発売日はまだかまだかと首を長くして待ったアルバムでした。当時は、‘これでニューウェイヴバンドとしてのジャムはお終い、あとはビートルズになるかピンク・フロイドになるかだろう’といったレビューがありました。しかしなんと次作「ザ・ギフト」を出した後、解散してしまいました。それはショックでした。

今聴くと全6作中、最も古臭く感じるのは、ウェラーらが当時英国のメインストリームを弱冠意識して作ったからだと思います。“Set The House Ablaze”“Scrape Away”“Music For The Last Couple”には、当時台頭してきたエコー&ザ・バニーメン、キュアー、U2らのネオサイケと、マッドネス、スペシャルズ、セレクターらのスカの影響がちらっと見えたりします。

サイケの要素とホーンの使用と楽曲のバラエティ、あとシングルヒットした、ビートルズ“Taxman”そのままの“Start!”から、ビートルズの「リヴォルヴァー」も浮かんできます。しかし樂曲としては従来路線の、“But I'm Different Now”や”Dream Time”の方がやっぱりいいなと思ってしまうのも事実です。新路線では“Boy About Town”が唯一名曲だと思います。

後にモリッシーがカヴァーした“That's Entertainment”は、驚くほど単調なメロディラインで、どこがいいのか分からなかったのですが、これはおそらく英国人たちは詞にグッときたんじゃないでしょうか?荒廃した街とか、荒廃した人の心といった言葉が浮かんできます。そんな状況を傍観者的に皮肉っぽく描いてるところはウェラーの敬愛するキンクスのレイ・デイヴィスのようです。‘退屈な水曜日に雨にあわせて小便する’なんて秀逸だと思います。22歳の小僧が書ける詞じゃないですね。

当時ウェラーは前作の反省から、ダビングは極端に減らしてシンプルにしたと言ってました。確かに曲によっては、一発録り風なのもありますが(従来路線曲)、楽曲的に幅が広がった分、逆に前作よりも複雑な作りに聞こえて、当時はどこがシンプルなんだろうと思いました。ちょっと60s風なスネアの音は、初めてこのアルバムから、メンバーの意向が反映されたんじゃないかと思います。前4作は見事に同じ音です。

〜written by 音楽ライター廣山憲多郎 〜 ホームページ



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