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スティーヴ・ヒレッジが中心となって結成されたアンビエント・ハウスのグループ
９１年発表の１ｓｔ。当初はゴングなどでの活動でも有名なスティーヴ・ヒレッジがシステム７の名称で久々に発表したアルバムという印象だったが、結果としてこのアルバムは彼をアンビエント・ハウスというジャンルの主軸の一つににまで押し上げる重要な作品となった。アンビエント・ハウスは７０年代のプログレ的な要素を９０年代的な手法(打ち込みやサンプリング) を駆使して再構築したかのような要素を持っており、極端に言えばヒレッジやマニュエル・ゴッチングらが既にやってはいたものの、全く相手にされなかった作風の焼き直しだった。ヒレッジが再び活動を始めるきっかけになったのはジ・オーブの作品に客演したことだが、おそらくヒレッジはこの時に「やっと自分の時代がやって来た」と思ったことだろう。本作はリズムの面でいわゆるハウス・ビートが強調されている点を除けば彼が７０年代にやってきた音楽と極端に相違点は見られない。名称を変更したことも実は音楽性は変えないが、新しいイメージを持ってもらうためだったと確信している。本作にはハウス/テクノ系の名だたるＤＪ／ミキサーが、盟友のミケット・ジロディらと共に参加しているが、ハウスが閉鎖的な打ち込みに頼る音楽ではなく、クラブという一つのコミュニィティから生まれた音楽ということを考えれば非常に自然なことだろう。この点をもってしても本作がアンビエント・ハウスの最重要作の一つであることは間違いないと思う。
１．は印象的なフレーズの登場するシステム７の代表曲の一つ。今聞くとさすがにリズム隊に古臭さを感じるものの泣きのフレーズを聞かせるヒレッジのギターにはたまらないものがある。２．は絶妙に美しいヴォーカル・ナンバー。流れるかのような美しいサウンドはヒレッジのお家芸そのものだ。

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