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凄まじいグルーブ感
パコ・デ・ルシアのアルバムは（カマロンとの共演盤を含めても）、一枚ごとにかなり印象の違いがあり、アルバムを重ねるごとのその技量の深化はもちろんですが、自己模倣を注意深く避けつつ、フラメンコの伝統と対峙しながら音楽的にさまざまな工夫をしているのがよくわかります。この「シロッコ」というアルバムは、グループによるアルバムを挟んで、久しぶりにほぼソロで各楽曲を弾ききっているのですが、彼の数あるアルバムの中でも全編に渡って最も疾走感があって最も凄まじいグルーヴを創出していており、全く鬼気迫るものがあります。個人的には気合いを入れて何かしようとするときにまずかける重要な一枚。ただ、彼のＣＤはまだちゃんとしたリマスタリングがされていないのか、音楽の良さに比して音質的にも最高というわけではないところが残念。

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