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心の底にはりついて離れない作品
メタリカの全作品中、最も中毒性が強い一枚じゃなかろうか?前作のとにかくザクザク押して
くる作風も好きだが、ここまでドラマチックに進化するとは誰が予測できた!?初めて聴いた
日は興奮して眠れなかったのを覚えてる。。
やはりクリフは偉大だった。彼の持ち込んだ音楽理論で劇的に進化した。勿論プレイに関して
も、ライヴパフォーマンスに関しても一級だった。。

まず第一フィーリングとして、[1]の『Fight Fire with Fire』の肌がひりつく様なリフと、
とにかくスピード・破壊力は衝撃的。
そして、まさに劇的という言葉が似合う[3]の『For Whom the Bell Tolls』に、もはやライヴ
ではアンセミックともなっているDie!Die!を連呼する『Creeping Death』の構成・展開は
とりわけ白眉だ。この曲はリフにしても叙情的な構成美にしても詩の世界観にしても、初期
メタリカの良さがすべて詰まった一曲だろう。
そして、その前述の『詩』だが、まさにジェイムズが書く詩ってのもメタリカには欠かせない
魅力で、ただ単に悪魔崇拝を借り物にしてるメタルバンドとは完全に一線を画している。
それを最も体現している[4]の『Fade to Black』などは大げさではなく本当に泣ける名曲だ。
漸次的に心に訴えかけてくる構成と、やるせない歌詞が相まって実にドラマチック。悲しみを
昇華するようなラストのギターソロも素晴しく、そしてカッコいい。
アルバムラストを飾るインスト曲『The Call of Ktulu』の呑み込まれるような空気感も言葉
では表現できないような美しさがある。

スラッシュメタルを聴いてみたいという方には勿論お薦めなのだが、メタリカは最早メタリカ
というジャンルなので、枠に捉われず食わず嫌いせずに様々な音楽ファンに聴いて欲しいと
心から思いますね。そう思うに足る存在です。

なぜ次作ばかり評価されるのでしょうかね？
個人的にはアルバム通して聴いたときの満足感はこちらの方が上ですよ。
叙情的でドラマティック、冷ややかで鋭い攻撃的なサウンドを惜しみなく披露してます。
次作「マスター・オブ・パペッツ」は妙に垢抜けていてイケません。
そのわりに完成度において圧倒的に勝ってるとも思えないですし、
やはり「ライド・ザ・ライトニング」をないがしろにする理由は無いですね。

1曲目「Fight Fire With Fire」アコースティックギターから幕開け、
荒々しいリフを刻み始めます。この鋭いギターはメタリカの肝でしょう。
2曲目「Ride the Lightning」も続いて攻撃的でスラッシーな曲。
ただこちらは曲構成に工夫がみられます。ジャーマンメタルに通じる勢いも。
3曲目「For Whom the Bell Tolls」鐘の音が印象的。ギターによるメインテーマと
ザクザクとしたリフがカッコイイ。インストパート重視の曲。
4曲目「Fade to Black」叙情的でメロディアスそしてドラマティックな名曲。
このアルバムで一番好きです。ここで聴けるギターはメタリカ随一ではないでしょうか。

5曲目「Trapped Under Ice」テンポアップしてギター弾きまくり。複雑なギターが聴ける。
歌メロもなかなかカッコイイ。これもジャーマンメタルのよう。欧州人とは趣味が合います。
6曲目「Escape」前半でキャッチーな歌メロが、後半で怪しい歌メロが聴けるトリッキーな曲。
7曲目「Creeping Death」堂々としたサウンドと確かな構成力を持った定番曲。
この曲なくしてメタリカは語れないんじゃないですか？それほどの曲。
8曲目「The Call of Ktulu」間違いなくメタル史上最高のインスト曲の一つ。もはや奇跡。

「マスター・オブ・パペッツ」以降のアルバムはヘヴィネス好きの一般リスナーでも評価します。
メタル好きであればこそ次作でなくこちらを評価してください。
メタラーのためのメタルアルバムですから。

今の耳で判断すると
こちらも次作以上に試行錯誤的な楽曲が多いアルバム。メンバーの誰かがRUSH好きのせいか、何となく複雑でプログレっぽい方向性を目指したみたいだが、やりたいことに演奏力が追いついていない。異常進化した今のメタルのテクニック水準に慣れた耳には、カークの基本練習みたいなタッピングや雑なピッキングの長いギターソロ等は聞き苦しいんじゃないかなぁ。僕のようにリアルタイムで聞かなかった後追いの人がどれだけ感動するかは疑問だ。

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