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復活後の作品で最高作
Cheap Trickを評価するとき、必ずBeatlesを引き合いに出される。そしてポップという言葉もよく使用される。確かに間違いではない。しかし、的確に評価されていない。人それぞれ評価は異なるとは思うが、ハードロックバンドではないかもしれないが、ハードなロックバンドではあると思う。前2作が外部のソングライターを大胆に起用した産業ロック路線だった。たしかにトムを復帰させるにあたってドラマティックな演出するには大成功した。それによって、これまで支持してきたコアなファン層が大量に離れた。その当時の新しいファン層も少しずつ離れていった。前2作は今でこそ評価できるが、Cheap Trickの歴史上最も希薄な作品でもある。
ポップと産業ロックとしての評価がCheap Trickの本質が翻された感じがする。
本作をリリースしてもなかなか第一線に浮上できない理由はそこにあるように思う。
本作はStonesばりのエッジの効いたハードな作品でなお且つ彼ららしいバラエティに富んだ作風で、本作で復活していればAerosmithともに大成功していた可能性もあっただけに非常に残念である。
本作以降の作品からは本来のCheap Trick節が炸裂して、これまでのコアなファン層も徐々に戻ってきて新しいコアなファン層も増えてきているので、あとは一般の新しいファンからの支持だけなんだけどね。

ぼくらのチープが戻ってきたぞ
まずはこの邦題、よくぞつけたり。７０年代の匂いがプンプン。「蒼い」はセカンドの「蒼いハイウェイ」から。まるでKISSの地獄シリーズだね。「衝動」はジャケが性衝動を思わせるからでしょうが、それだけではありません。ここでは彼らの初期衝動、ロックへの衝動、チープとしての衝動に満ちているのです。オーバープロデュースを強要した古巣エピックを離れ、ワーナーブラザースへ移籍した理由はここにあるのです。前２作では封印していたエキセントリックなコーラス、不安を煽る様なギターリフ、ロビンのシャウト、思わせぶりな歌詞が完全復活しており、本作を最高傑作とするファンも少なくありません。正にエポックメイキングな重要作。

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