Tour 1996 Live at Akasaka Blitz / オリジナル・ラブ

■ビデオ収録曲
1.黒猫
2.ブロンコ
3.ブラックコーヒー
4.Words of Love
5.夢を見る人
6.少年とスプーン
7.プライマル
8.ねえ ラモン
9.Masked
10.hum a Tune
11.青空の向こうから

■発売元・WONDERFUL WORLD
■1998年ファンクラブ限定発売
■種別・ライブ

◆「Tour 1996 Live at Akasaka Blitz / オリジナル・ラブ」解説 〜

●ビデオインナーより

　僕にとってステージの上は、大げさに聞こえるだろうけど、まるで戦場だね。なにと争っているかといえば、ライブが成功するかどうか分からない、その"危うさ" のようなもの。日常の生活はともかくとして、せめてステージの上だけは全力で音楽の魔法を信じていたい、そうしなければ良いパフォーマンスは得られない。自分が信じている音楽とお客さんの感性とが、予定調和ではなく、偶然のように、共振してはじめて良いライブになるのだと思う。そういう意味でライブは、お客さんと、ステージの上にいる人間との、共同作業でもあるのだな。
　またライブはCDに録音された音楽とは違い、一回きりのもの。どんなに良かったライブも、二度、繰り返し経験することは出来ません。そして時間が経てば、ライブに来たお客さんや、実際にライブを演った演奏者達すらも、やがて忘れてしまうものだ(忘れてすまん)。ライブミュージックは、そのライブ会場にいる人たちのための音楽なのだ。ライブミュージックはそのように、はかない音楽なのだ。そしてまさにそこがライブの素晴らしさなのだと思う。
　今回のオリジナル・ラブとしてはじめてライブビデオを発表することになり、たった今、そのすこし懐かしい、そしてはかない映像を見終えたところ。ちょっと滑稽に見えるところや、歌をハズしているところなども多々あるが、全体としては、自分でも驚くほど良いライブ映像になったのではないかと思う。僕の信じている音楽と、このビデオを見る人たちとの感性とが、少しでも重なる瞬間があることを、祈るような気持ちだね。〜田島貴男