1998 夏 サザンオールスターズ スーパーライブ in 渚園「モロ出し祭り 〜過剰サービスに鰻はネットリ 父ウットリ〜」(2本組) / サザンオールスターズ

■ビデオ収録曲
【VOL.1】
1.太陽は罪な奴
2.みんなのうた
3.愛の言霊 -Spirtual Messasge-
4.さよならベイビー
5.せつない胸に風が吹いてた
6.MOON LIGHT LOVER
7.赤い炎の女
8.夕陽に別れを告げて
9.C調言葉に御用心
10.思い過ごしも恋のうち
11.ブリブリボーダーライン
12.涙の天使に微笑みを
13.CRY 哀 CRY
14.COMPUTER CHILDEN
15.01MESSENGER -電子狂の詩-
【VOL.2】
16.涙のキッス
17.栞のテーマ
18.いなせなロコモーション
19.真夏の果実
20.LOVE AFFAIR -秘密のデート-
21.PARADISE
22.マチルダBABY
23.ミス・ブランニュー・デイ
24.匂艶 THE NIGHT CLUB
25.ボディ・スペシャル・
26.マンピーのG★SPOT
27.勝手にシンドバッド
<ENCORE>
1.BYE BYE MY LOVE(U are the one)
2.希望の轍
3.いとしのエリー
4.夕方HOLD ON ME
5.旅姿六人衆

■発売元・ビクターエンタテインメント
■1998年発売
■収録時間180分
■定価8,000円
■種別・ライブ

◆「1998 夏 サザンオールスターズ スーパーライブ in 渚園「モロ出し祭り 〜過剰サービスに鰻はネットリ 父ウットリ〜」(2本組) / サザンオールスターズ」解説 〜

●8/8(sat)・9(sun) OPEN 13:30/ START 17:30 　静岡県浜名湖畔弁天島海浜公園 渚園
　
『渚には、サザンを取り巻く、三つの時間があった。過去と現在と未来が、スリリングに交差していた。それがこうして、ビデオになった。まず最初。これは彼らの、ライヴの集大成である。「ノスタルジーはノスタルジーで、ちゃんと見せたかった。」そう桑田が言うように、出し惜しみは一切ない。当日演奏されたのは、ファンならずとも、様々な場面が思い浮かぶ曲ばかり。
サザンがライヴで実現してきた、アイデア豊かな演出と、演奏のカタルシス、そのすべてが、ズラリと並んだ豪華さだ。5万人の観衆の圧倒的な数、テーマ・パーク的にセンター・ステージなど展開したスケール感・・・。
ステージの桑田は、カリスマとして全体を引っ張っるだけでなく、時にはおどけて、場をなごます。そんなサザンのパフォーマンスも、これまでの集大成である。それにしても、こう思う。自分の気持ちを表に出すのがヘタな日本人を、欧米にも負けない"ロックな群衆"へと導いた、そんなサザンの功績は絶大だ。
「でも、それらをここで、全部、棚卸ししたかった。それと同時に、禊(みそぎ)でもあった。サザンには、最後に[勝手にシンドバッド]へと向かう、象徴的な必勝パターンがあるけど、ファンの人達がくれたそのアドバンテージに、いつまでも頼っていては、次に行けない」。そこで考えたのは、20年という節目に、総てをさらけ出し、そのかわり、しばらく同じ手は使わない、という事。「その、"愛すべきサザンの超拡大版"として、渚園をやった。でも、それが終わったら、なるべく早く、忘れよう」。"モロ出し祭り"の意味は、ここにあった。
過去の業績を、すべて披露し、しばらくそれを封印する。でも、もしこれだけなら、まるで解散コンサートのようになってしまう。もちろん、未来も示される。彼らが今後、どこに向かおうとするのか、それを暗示させる場面がある。桑田は、「コンサートのヘソ」と、そう表現した。プログラムも進み、あたりがすっぽり暗くなり、巨大な照明装置が、より効果的に使えるようになった。そんな絶好の条件の中で、それらの曲は、演奏された。
新作「さくら」にも収められた、「01MESSENGER -電子狂の詩-」である。続く「CRY 哀 CRY」さらに「COMPUTER CHILDREN」と、これらの曲は、渚園という場所で、別の磁場を持っていた。「あの3曲の"気持ちのいい違和感"は、今後、サザンのコンサートで、増えていく部分かもしれない。僕らとしても、前向きになれる要素が、意図出来そうな気がしてるし・・・」
過去は居心地がいい。現在は無我夢中のうちに過去となる。未来を覗くには、少し勇気がいる。それらが交差するこのビデオには、不思議な包容力がある。その意味で、サザンのすべてを抱きしめたい人にも、うってつけである。　　-小貫信昭-』

パッケージ表と裏写真