ザ・ビートルズ・ライブ / ビートルズ

■ビデオ収録曲
TWIST AND SHOUT
ROLL OVER BEETHOVEN
I WANNA BE YOUR MAN
LONG TALL SALLY
<メドレー>
　LOVE ME DO
　PLEASE PLEASE ME
　FROM ME TO YOU
　SHE LOVES YOU
　I WANNA HOLD YOUR HAND
　CAN'T BUY ME LOVE
　SHOUT
ALL YOU NEED IS LOVE

■発売元・東芝EMI
■1985年発売
■収録時間20分
■定価2,369円

◆「ザ・ビートルズ・ライブ / ビートルズ」解説 〜

▽ビデオインナーより

　ロックやポップは時代とともにどんどん変化していく音楽だし、だからこそ面白いと言えるのだが、その中にあって変わらないのはビートルズの人気、評判だ。すでに解散から10数年を経るというのに、新しいファンを次々と作り上げているのだから本当にモンスター・グループと言える。
　そんな新旧ビートルズ・ファンにとって今年は、久しぶりに興奮できる年になるかもしれない。というのも先日イギリス最大の音楽誌『ニュー・ミュージカル・エクスプレス』が、ビートルズの未発表曲アルバム今年中に発売されると報じたからだ。幻のセカンド・シングル「ハウ・ドゥ・ユー・ドゥ・イット」や「ワン・アフター・909」の63年版、未発表曲「リウ゛・ミー・キッチン・アローン」等を収録したもので、大変な話題となるにちがいない。　
　そのアルバムに先駆けるように発売になったのが本作というわけだ。御存知のようにビートルズ関係の映像というのは、多いようで意外に少ない。正式な2本の映画を除くと存在自体は広く知られていても、キチンとした形で発売されていないものが殆どだ。
　そうした状況の中でセンセーショナルな話題となったのが、一昨年から発売の始まった"レディ・ステディ・ゴー"・シリーズだ。60年代のブリティッシュ・ビート・ブームを支えた人気番組を再編集したもので、当時を知る人はむろんのこと、その時代に生まれたような人々まで新鮮な感動を与えた。
　ローリング・ストーンズ、ザ・フー、アニマルズ、デイヴ・クラーク・ファイブ等当時の超人気グループが勢ぞろいしたこのシリーズは、日本でもすでに第2集まで発売されているのでご覧になっているだろうが、なかでも目をひくのはやはりビートルズだ。
演奏自体はスタジオ録音されたテイクに合わせているものなので普通のライヴ・ビデオとは印象が違うが、その分リラックスした4人の姿を見ることができる。
　本作は、その"レディ・ステディ・ゴー"・シリーズのスペシャル版として、ビートルズだけを集めて編集されたもので、まさに世界のファンが待ち望んだ企画と言ってよい。だいたいビデオや他の映像メディアにしても権利関係、著作権の問題があって、特に古いものは、受け手の希望通りのものとなること自体が少ないのだが、この作品は、その点からいっても非常に満足のいくものだ。
　初期のTVショーなどで何度か聞かせてくれた必殺ヒット曲メドレーが正式に発売になったのも嬉しいが、未発表曲「シャウト」が収められている点も大きな魅力だ。今だにロックン・ロールの古典ナンバーとして人気の高い同曲をビートルズは、熱っぽく演奏しているが、みんなすでに顔が余裕に溢れているところが面白い。
　冒頭で述べたように今年は、久々にビートルズ・ファンにとって収穫の多い年になりそうだが、まずその第一弾として映像でナマのビートルズをタップリ味わっていただきたい。