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素敵
決して器用なタイプの演奏家ではないと思うのですが、何か
引き込まれるものを持っている、聴いていて飽きのこない人間臭さの部分が
大変魅力的な好アルバムだと思います。
個人的にはベーシスト水橋孝さんに捧げたという冒頭の自作
「ミスター・ハピゴン」が曲＆演奏共にベスト、大野氏の個性的な
演奏スタイルが端的にわかるナンバー。
それ以外にも「マイ・フーリッシュ?」をはじめスタンダード・ナンバーを
多く取り上げていますが、こういったスタンダードの解釈においても
独自の大野節が滲み出ているのが素晴らしい。
最近ではルパン三世のナンバーを純ジャズアレンジで演奏していますが、
その最近の演奏と比べると個性的な点では変わりませんが、円熟味が滲む
近作と違い、青年期特有の内に秘めたパッションの放出がこのアルバムに
輝きを与えているのかもしれません。

関係ない話ですが、ジャケット裏の大野さんの写真はなんだか昔交番に
貼ってあった学生過激派の手配写真みたいな風貌ですね