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アニメ史上で異彩を放つ作品
まず驚かされるのは歴史・文化考証の綿密さです。
大抵のアニメがヨーロッパを舞台に歴史や地理を織り交ぜようとすると、
必ず多少考証に無理があったり、ほころびが見られるものです。
しかし「ＮＯＩＲ」は、スタッフが本当に調査した結果なのか、偶然なのか、
全編を通して建築、地理や歴史的背景などの面でかなりの「リアリティー」をかもし出しているフィクションです。

例えば物語の鍵となる、ピレネーの僻地に残るロマネスク様式の荘園と遺跡など、「ソルダ」の背景を考えると
けっこう納得のいく設定です。時折登場する中世風の絵図も一般的なのアニメと比べると傑出した出来です。

これに梶浦由記さんの中世と現代を融合させた独特の音楽が加わり、ガンアクションという性質もあいまって
かなり独特の雰囲気を醸し出しています。

寺岡賢司さんによる銃器の選択もこのような設定を考慮しているように見え、他の作品ではなかなか見れないような
銃器が場面に合って登場します。ただこれは単に寺岡さんの趣味かも知れません（笑）。

映像や音楽ばかり評価されがちな本作ですが、一応テーマ性はあります。
見る人によって解釈は違うでしょうが、主に「人間性」「愛」「罪」「人の本質」等のテーマがストーリーを通して探られます。

当然二周、三周と観るとストーリーに新鮮さはなくなりますが、他のレビューで紹介されているように他にも見所が沢山ありすぎるため、
何回もの視聴に耐える作品です。ＤＶＤボックスを買う価値は十分あったと思います。

今さらの投稿ですが
真下監督の美少女ガンアクション3部作を制覇したい、
という方以外には全くお勧めしません。

もともと監督の趣向もあって3作ともファンタジー要素が
強いのですが、このNOIRではそれがかなり悪い方に
発揮されています。アクションの説得力がほとんどないし、
とにかく地に足が着いていない印象です。
放映当時、終盤の展開には唖然とさせられたものです。

アリプロのOPと梶浦さんの音楽のおかげで
｢ちょっとダークでアンニュイな雰囲気｣だけは
魅力的に感じていました。
「こっぺりした」という意味不明な品詞も懐かしい…

星2つはどちらかと言うとその下の評価に近いそれだと
お考え下さい。

記録的作品
これは面白いですね
セルアニメ末期の美しい背景で音楽も惹かれます
とても話題になった作品です
2ヶ国語になっているので2度分楽しめます