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静かに，穏やかに，けれど力強く
　岡崎さんの2枚目のアルバムです。前作と作風は似ており，全体的にメロディアスな仕上がりになっています。

　岡崎さんの作品に一貫して流れるテーマである‘心の揺れ’を明るく歌った曲としては，「散歩に出かけよう」「Nowadays」がお薦めです。
　　♪　ひとりしょんぼりして　持ち直して　忘れてまたくり返すけど
　　　　やめないわ　だってそれが生きていくこと　♪　　　　　（「散歩に出かけよう」）

　切ない恋心を歌った曲としては，遠距離恋愛をテーマにした「長距離電話」があります。また「Love Scene」は，後のアルバムにもあまり見られない大人の恋愛をテーマにしています。一昔前のフランス映画のようなしっとりとした雰囲気です。

　僕が個人的に気に入った曲は「夕暮れの帰り道」と「同じ空の下」です。
　前者は，恋愛の歓びを儚げなメロディにのせて歌っています。マイナー調をベースにしていますが，それがかえって繊細な恋の歓びを引き立てています。
　後者は，終わった恋愛をテーマにしています。いつもと変わらぬ日々の中でふとよみがえる過去を，切なく，けれどさらりと歌っています。思いの深さは，時が過ぎても薄れないものなのですね。

　岡崎さんのアルバムの中で，1枚目と本作は穏やかな曲が多いと言えましょう。春の静かな昼下がりに，岡崎さんを偲びながら聴きたくなります。


やっと岡崎さんらしさが見えてきたアルバム
１作目はデビューの堅さや制作上のディレクションを感じさせましたが、ようやく岡崎さんらしさが見えてきた（出せてきた）記念すべきアルバムだと思います。ジャケット写真と同じく肩から力が抜けた感じで、休日の午後に聴くのが似合ってそうです。

心によりそう一枚
切ないメロディーと繊細な歌声がよく合っていて、とても好きです。
歌詞も心にすっと入ってきて、聴いていると素直になれそうな気がします。
しみじみとヘッドホンで聴くのがおすすめです。
私は、大学時代に冬の陽だまりの中でよく聴いていました。
こう書くと恥かしいですが、ホントによく合うんですよ。